次世代シークエンス技術の発展によって、RNA発現データが世界中のさまざまな生物から日々取得され、公共データベース上に蓄積・共有されるようになりました。私たちは、これらの公共データを「撹乱RNA(perRNA:perturbing RNA)」という新しい視点からで再解析することで、ウイルスやトランスポゾン由来のperRNAを多種多様な生物から抽出・解析することを目指しています。
本研究では、免疫反応を引き起こすRNA群の網羅的な同定と、その多様性・制御機構の包括的理解を目的とした大規模データ解析を行います。具体的には、生物の免疫反応の強度と関連するperRNA候補の探索や、複数のオミクス情報を統合した解析によって、perRNAの機能ドメインを明らかにし、それぞれの生物種における免疫応答の違いや、perRNAごとの免疫惹起能の差の背景にある分子メカニズムを追求します。さらに、本領域で得られたperRNAの情報を統合し、「撹乱RNAデータベース」にとして構築することで、撹乱RNA学の創生・発信を支える情報基盤を整備します。
