ブリッジRNAによるゲノム攪乱メカニズムの解明と次世代ゲノム編集技術への応用展開

平泉 将浩

平泉 将浩

東京大学大学院工学系研究科(工学部) 助教

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 生物の進化と多様性は、トランスポゾンによるゲノムの攪乱を通じて形成されてきた。IS110ファミリーは、リコンビナーゼがブリッジRNAを介してドナーDNAと標的DNAを同時に認識し、RNA依存的にDNA組換え(挿入・切り出し)を触媒することで転移するという、従来にないトランスポゾンである。我々は世界に先駆けてその分子機構を明らかにしたが、切り出し過程の詳細や標的特異性の向上には未解決の課題が残されている。

 本研究では、まず多様なIS110オルソログを網羅的に解析し、標的DNA認識において高い特異性を示すものを同定する。次に、クライオ電子顕微鏡解析によってIS110-ブリッジRNA-DNA複合体の立体構造を決定し、挿入・切り出しの過程を可視化する。さらに、構造情報とタンパク質言語モデルを組み合わせ、ヒト細胞において高活性で機能する改変体を創出する。これにより、長鎖DNAのノックインやリピート病に関連する異常伸長配列の切除を可能にする新規ゲノム編集技術の確立を目指す。