攪乱性リピートRNAの相転移分子機構の解明

外山 侑樹

外山 侑樹

東京大学大学院薬学系研究科(薬学部) 特任助教

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 RNAが攪乱性を発揮する機構は多岐にわたりますが、なかでもRNA自身が相転移を経て、RNA結合タンパク質と共凝集することで細胞毒性を示すものが知られています。このようなRNAの相転移や共凝集に起因する毒性は、難治性の神経変性疾患の本態であるとされているものの、相転移にまつわるRNAは高い構造不均一性を有するために、その病態の根幹にある分子機構は明らかではありませんでした。

 本研究では、このような相転移活性をもつ攪乱RNAとして、C9orf72遺伝子非翻訳領域由来のリピートRNA(G4C2 RNA)に着目し、G4C2 RNAがなぜ高い凝集性を示すのか、またいかにして特定のRNA結合タンパク質と相転移を経て共凝集するのかを明らかとすることを目的とします。RNA結合タンパク質の折り畳まれた構造を形成しない天然変性領域と、G4C2 RNAの立体構造特異的な相互作用に着目し、溶液の核磁気共鳴分光(NMR)法を用いた相互作用解析により、凝集性と結合特異性を決定する分子機構の解明を目指します。