計画班の加藤らの研究成果がMolecular Cell に掲載されました。

計画班の加藤らの研究成果がMolecular Cell に掲載されました。

Kurihara N, Isayama Y, Zhang J, Yamashita T, Awaji K, Ito Y, Yoshizaki A, Kouwaki T, Oshiumi H, Nishimasu H, Shibata M, Nureki O, Kato K. Molecular mechanism of MDA5 nucleation and filament formation by LGP2. Mol Cell. 2026 Jan 19:S1097-2765(25)01017-2. doi: 10.1016/j.molcel.2025.12.019. Epub ahead of print. PMID: 41558484.

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1097276525010172?via%3Dihub

研究成果の概要

私たちの身体には、免疫受容体がウイルスや細菌などの病原体の感染を検知し、免疫応答を活性化させる仕組みが備わっています。中でも、MDA5やLGP2と呼ばれる免疫受容体は、細胞内でウイルス由来RNAを検知し、強力な免疫応答を引き起こします。この過程において、LGP2とMDA5が協調してウイルスRNAを認識することは知られていましたが、具体的にどのように作用するのかは分かっていませんでした。

そこで今回研究チームは高速原子間力顕微鏡、クライオ電子顕微鏡を用いてLGP2とウイルス様RNAの混合物を観察したところ、LGP2がウイルスRNA上を移動する様子が観察されました。さらに、LGP2とMDA5を混合すると、LGP2がMDA5のフィラメント化を促進し、それらがウイルス様RNAとともに短い凝集体構造を形成することが明らかになりました。

以上より、LGP2がウイルスRNAを認識し、MDA5と協調して免疫応答を活性化する仕組みが明らかになりました。本成果を応用することで、より安全で有効性の高いRNAワクチンの開発につながることが期待されます。

惜しくもMol Cell表紙を逃したカバーイラスト

ビーズ
ウイルスRNAを「糸」、免疫センサー(LGP2とMDA5)を「ビーズ」に見立てた図です 。ピンク色のLGP2がRNAの端に結合して移動し、緑色のMDA5が集まるための「種」をまくことで、ウイルスに対抗する巨大な集団(マイクロクラスター)が作られる様子を描いています
鉄道網
ウイルスRNAを「線路」、免疫タンパク質を「列車」に例えた図です 。赤い列車(LGP2)が線路の端から走り出して移動し、青い列車(MDA5)が連結するための足場を作ることで、ウイルスを確実に認識するための強固な編成が組まれる仕組みを表現しています
加藤先生MolCell表紙イラスト
加藤先生MolCell表紙イラスト(列車ver)