Yasuda K†*, Aoki J†, Tanaka K, Shichinohe S, Ono C, Vandenbon A, Ohara D, Muramoto Y, Li S, Motooka D, Watanabe H, Hirota K, Kondoh G, Noda T, Standley DM, Ikehara Y, Okada S, Watanabe T, Matsuura Y, Takeuchi O*. (†Equal contribution, *Corresponding authors)
Regnase-1-mediated regulation of neutrophils modulates SARS-CoV-2 pneumonia.
PLoS Pathog. 2026 Feb 9;22(2):e1013969. doi: 10.1371/journal.ppat.1013969.
ウイルス感染に対する自然免疫応答は、適切にウイルスを除去し、また過剰な活性化を引き起こさないように調節されています。しかし、免疫系が適切な応答をコントロールできず、いわゆるサイトカインストームを引き起こすことが、SARS-CoV-2感染重症化の一因であることが分かっています。Regnase-1は、免疫細胞および非免疫細胞において、炎症性サイトカインをコードするmRNAを分解することで炎症を抑制するタンパク質です。したがって、Regnase-1は攪乱RNAの生成を抑制しているとも言えます。Regnase-1欠損マウスは異常なサイトカイン産生に伴う強い炎症を引き起こす一方、Regnase-1の細胞内での量が野生型と比べ半分程度に低下したRegnase-1ヘテロ欠損マウスは、定常状態では特に症状を示しません。
本研究でRegnase-1ヘテロ欠損マウスにマウス適応型SARS-CoV-2(MA10株)の感染実験を行ったところ、野生型マウスと比較して体重減少や致死率が低く、SARS-CoV-2感染による肺炎も軽症であったことから、Regnase-1がSARS-CoV-2感染に対する生体応答を負に制御していることが分かりました。また、好中球に発現するRegnase-1がSARS-CoV-2感染に対する防御応答制御に関わる事や、好中球でRegnase-1が過剰なI型インターフェロン応答に関わり、感染の重症化に寄与することが示唆されました。したがって、好中球におけるRegnase-1の量を調節することは、重症ウイルス感染症に対する新たな治療標的となる可能性があります。

関わりSARS-CoV-2肺炎が重症化する