RNA修飾によるTLR7/8自然免疫受容体の機能攪乱性の解明

張 志寛

張 志寛

東京大学大学院薬学系研究科(薬学部) 助教

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 Toll-like receptor 7/8はエンドソーム・リソソームに局在し、RNAウイルスのセンサーとして機能する自然免疫受容体です。これらの機能のホメオスタシスの破綻は、免疫不全や自己免疫疾患の原因となることが知られています。TLR7/8はRNA分解から産生される短鎖RNAおよびヌクレオシドを協同的に認識し、活性化します。しかし、RNAは病原体特異的な物質ではなく、宿主細胞にも豊富に存在します。近年、TLR7/8の活性化を抑制する内因性修飾RNAが同定され、これは自己RNAによるTLR7/8活性のホメオスタシス維持機構の一つであるとして考えられています。このことから、自己RNA以外にもTLR7/8の活性を抑制しうる修飾RNAが存在する可能性が推察されます。

 本研究では、TLR7/8の活性を能動的に抑制・撹乱する病原体または人工RNA由来の「非自己由来の撹乱性修飾RNA」の同定を目指します。具体的には、クライオ電子顕微鏡による構造解析を基盤とした構造ベースのバインダースクリーニング法を適用し、非自己由来の病原体および人工修飾RNAを主な対象として、TLR7/8の活性を抑制・攪乱するRNAの配列および結合構造を特定します。