レトロトランスポゾンであるLINE-1由来のRNAは、多くの精神疾患や神経変性疾患において攪乱RNAとして機能し神経障害を引き起こすことが示唆されています。しかしながら、LINE-1 RNAの神経障害メカニズムは未解明です。LINE-1 RNAの約70%は、転移反応の際に何らかの原因により逆転写不全が起こり、3’UTRからなる数100ntの「断片化」1本鎖 DNA (ssDNA; single stranded DNA) が産生され、神経障害を引き起こすことが予想されます。
本研究では、LINE-1 RNAの3’UTRに形成される「グアニン四重鎖」(G-quadruplex; G4構造)の過形成がLINE-1 RNA逆転写不全の原因であることを解明します。すなわち、G4構造にスポットを当てることで、神経細胞におけるLINE-1 RNAが攪乱RNAに変容する新たな細胞内メカニズムを解明します。さらに、G4構造の形成をトランスポゾンの新たな生体内機構の解明に繋げることで、「生物進化」と「ゲノム病態」の本質に迫ることを目指します。
.png)